人を動かすのは「論理」ではなく「感情」です。
人は感情によって行動したあと、その行動を正当化しています。
文法に誤りのないきれいな文章がいい文章ではありません。
読み手に理解させるだけでなく、相手の感情を揺さぶり、行動させる文章を目指していきましょう。
本記事では「人を操る文章術 DaiGo」の本を徹底解説しています。
文章で人を動かしたい方は必読です。
5つの学び
本書ではたくさんの学びがありますが5つご紹介させていただきます。
- あれこれ書かない
- 感情を揺さぶるような文章を書く
- 書き出しはポジティブに書く
- なんども繰り返す
- 7つのトリガー
① あれこれ書かない

文章術の一つとして「あれこれ書かない」ことです。
文章の中にある一つのメッセージが相手に伝わり、心を動かすことで、一つの結果を得る。
ワンメッセージ・ワンアウトカムの原則が大切です。
伝わる文章よりもしたくなる文章を書きましょう。
あれこれと内容を詰め込みすぎた長文はすぐに飽きられます。
ねらう結果を一つに絞り込み、あえて短文にすることで読み手の想像力を利用していきましょう。
② 感情を揺さぶるような文章を書く

国語の教科書に出てくるような随筆のような文章、文法に誤りがなく句読点の使い方も正確な間違いのない文章というのはするすると読み進めていくことができます。
しかし相手の心を動かすことはできません。
人を動かすのは「論理」ではなく「感情」です。
人は感情によって行動したあと、その行動を正当化しています。
相手の感情に響くように伝えましょう。
話しかけるように書くといいです。
(例)
『肉汁がジュワッと溢れるステーキ』
『ねぇ私のこと好きと聞く前に、この本を読んでください』
『気になりませんか?全国NO.1営業マンの習慣を』
③ 書き出しはポジティブに書く

書き出しはポジティブで明るい調子で書き始めると、それだけで相手の心をつかみ、その先を読みたいと思わせることができます。
初対面の人との打ち合わせをイメージしてみてください。
笑顔で握手を求めながら挨拶をする人と、腕を組みながら無表情で挨拶をする人。
どちらに好印象を持ちますか?
答えは言うまでもないですね。
文章も同じです。
書き出しをポジティブに書き出すことで相手の心掴み先も読みたいと思います。
(例)
NG
『お疲れさまです。先日の会議のですが、、』
OK
『おはようございます!先日の会議の件ですが、、』
④ なんども繰り返す

同じ意味と感情を文章の中で言葉を変えて繰り返していきます。
意味と感情を繰り返すことによって、文章の説得力が上がります。
大事なのは表現を変えて10回以上繰り返すことです。
社会心理学者ウィルソン氏の実験によると、3回の繰り返しによって46%、10回の繰り返しによって82%も説得力が向上します。
⑤ 7つのトリガー
魅力的なキーワードを散りばめる→読み手がキーワードに気づく→読もうと思う
読み手を観察し、その文章を読みたいと思う内容を引き金として文章に埋め込みます。
人間の強い欲求が潜む分野は大きく分けて7つあります。
この7つの分野に関する言葉を引き金とすれば、高確率であなたの文章は相手に読まれ、心を動かし、思うままに誘導できます。
引き金(トリガー)は以下の7つです。
トリガー1 興味

1つ目のトリガーは「興味」です。
相手の興味のあることは相手の心に刺さります。
(例)
NG 『今度食事でもどうですか?』
OK『最近できた石窯でパリパリのナポリタンピザの店を見つけたんですけど、ご一緒にどうですか?』
(以前、ピザが好きと言うことを聞いていた。)
トリガー2 ホンネとタテマエ

心の中に秘めている本音を見抜き、認めてあげられてら、その人は認めてくれた相手を心から信頼し、本音を話してくれるようになります。
(例)
NG『最近、あれもこれも抱え込んでいて大変そうですね。1つや2つ断ったって、山田さんの現状見たら誰も文句言いませんよ。本当、頭が下がります。』
OK『山田さん、本当にお疲れさまです。私も以前、同じような状態になったことがあり、毎日、終電続きでヘトヘトになりました。本音も言えば、もういい加減、断りたいところだと思います。でも言えないのがサラリーマンですよね。お手伝いできることがあったら、気軽にメールください。』
トリガー3 悩み

人の悩みは大きなフックになります。
人の悩みはHARMの4つだけです。
- Health 健康、美容
- Ambition 夢、将来、キャリア
- Relation 人間関係、結婚、恋人、会社
- Money お金
(例)『すごくおいしいスイーツのお店を見つけたんだけど、一緒に行かない?ローカロリーだけど、自然な甘さで人気らしいよ』
トリガー4 ソン・トク

行動心理学でノーベル賞を受賞したダニエル・カーネマン氏らが行った実験から、人が「損失を受けることで感じる心の痛み」は「利益の喜び」より大きいとされています。
人間は5000円得をするよりも5000円損するほう方が重く感じる生き物です。
返品全額返金とは買って損をしたくない人間の心理をうまく利用したものです。
また、デメリットを説明して信頼を獲得する方法もあります。
「訳ありミカン、見栄えは悪いですが、安くてうまい」
得だけをアピールしてしまうと買いて側は警戒してしまいます。
ソン、トクを両方開示して買い手に信頼してもらう。
トリガー5 みんな一緒

「みんな一緒」は、社会的証明になります。
みんながしていることは正しい、いいことだと思ってしまいます。
(例)『男性の5人に3人は使っているアプリ』
みんなしていると訴えかけることで行動させます。
また人は憧れの人が使っていると買いたくなります。
(例)『ガッキー愛用、高級トリートメント』
トリガー6 認められたい

人から褒められる、認められる、のは嬉しいものです
それはわたしたちの中にある「承認欲求」が満たされるからです。
書き方のポイントとしては文章の中に「相手を認める言い回し」を入れることです。
「私はあなたのこんなところがすごいと思っています」と伝えるだけで相手の心をぐっとつかむことができます。
「こんなの初めてです」「変わりました」などを組み入れると承認欲求をくすぐることができます。
(例)
NG
「課長、昨日は楽しい時間をありがとうございました。またよろしくお願いします。」
OK
「課長、昨日はお時間をいただき、ありがとうございました。課長の営業マン時代のご経験に基づいたアドバイスのおかげで営業に対する考え方が変わりました。またいろいろと教えてください!」
NG
「今日は楽しかった。また遊びにいきましょう」
OK
「こんな楽しい時間を過ごせたの、初めてでした。また遊びにいきましょう」
トリガー7 あなただけの

「あなただけに・・・」(特別感)。人はこの設定に弱く、心がぐいぐい動かされてしまいます。
さらにそこに希少性が加わると最強です。
(例)
『渡辺さんだけには伝えておきます。(特別感)』『まだ部長にも報告していないから内密にお願いしますね。(希少性)』
人は、数量限定よりも情報の限定に弱いです。
(例)
『プレセールのお知らせ。バーゲン開始72時間前から半額です。ただこの情報は、当店の購入回数が5回以上の特別なお客さまにのみお知らせしています。一般のお客さまには公開されておりませんので、ご内密に』
「あなただけのお買い得」ではなく、情報そのものが「あなただけ」。
この二重の限定ぶりが圧倒的な力で読み手の心を動かすのです。
まとめ
文章はあれこれ書いてはいけません。
文章にある一つのメッセージが相手に伝わり、相手の心を動かすことで、一つの結果を得ていきましょう。
人は論理ではなく感情で動きます。
話しかけるように書き、感情を揺さぶっていきましょう。
文章の書き出しはポジティブに書くことも大切です。
伝えたいことは言葉を変えて繰り返すことで、説得力が上がります。
7つのトリガー
- 興味
- ホンネとタテマエ
- 悩み
- ソン・トク
- みんな一緒
- 認められたい
- あなただけの
7つのトリガーを利用して、心を動かし、行動させていきましょう。
本記事では「人を操る文章術」をご紹介させていただきました。
日常の広告なども今回ご紹介した文章術が多く利用されています。
どの文章術が使われているか考えながら観察することで、自分が書く文章にも活かすことができると思います。